異常震域って何?発生する2つの原因!

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2022年11月14日、17時09分頃、三重県南東沖で深発地震が発生しました。

震源の深さは約350km、地震の規模はM6.1との報道がありました。

三重県沖の地震ですが、震央に近い東海地方では揺れが少なく、少し離れた関東や東北南部で震度4~3の揺れが観測されました。

震源地から遠い場所に揺れが起こるこの現象を「異常震域」と言います。

では異常震域が起こる原因は何があるのでしょうか?

この記事では異常震域について紹介します。

異常震域って?

地震は普通、震源地から円を描くように揺れが伝わっていきます。

そして、距離が遠くなればなるほど揺れは小さくなっていくのです。

今回のように、震源に近いエリアでの揺れは小さく、震源から遠い場所で大きな揺れを観測することを「異常震域」というのです。

普通の地震とは反対の広がりを示すので「異常」という名前がついています。

異常震域の原因って何?

では、異常震域が起こる原因には何があるのでしょうか?

岩盤(プレート)の性質の違い

気象庁によると、地層にある岩盤(プレート)の性質の違いによるようです。

震源が非常に深い場合、震源の真上ではほとんど揺れないのに、震源から遠くはなれた太平洋側の場所で揺れを感じることがあります。この現象は、「異常震域」という名称で知られています。原因は、地球内部の岩盤の性質の違いによるものです。

 大陸プレートの地下深くまで太平洋プレートなどの海洋プレートが潜り込んで(沈み込んで)います。通常、地震波は震源から遠くになるほど減衰するものですが、この海洋プレートは地震波をあまり減衰せずに伝えやすい性質を持っています。このため、沈み込んだ海洋プレートのかなり深い場所で地震が発生すると(深発地震)、真上には地震波があまり伝わらないにもかかわらず、海洋プレートでは地震波はあまり減衰せずに伝わり太平洋側に揺れを伝えます。その結果、震源直上の地表での揺れ(震度)が小さくとも、太平洋側で震度が大きくなります。

気象庁|震度・マグニチュード・地震情報について (jma.go.jp)

つまりプレートに種類があり、その種類によって伝わる強さが変わってくるということですね。

深発地震であること

地下数百キロほど深くの太平洋プレート内部やさらに深い場所が破壊されて発生する地震を深発地震と言います。

深発地震は明確な定義はありません。

便宜上、深さ60kmまでの地震を浅発地震、

60kmから200kmまでの地震を稍深発地震、

200km以深で発生する地震を深発地震と分けられています。

深い場所で地震が起こると真上に地震波があまり伝わらず、横に広がって揺れを伝えていくようですね。

過去の事例はあるの?

実は、異常震域という現象は過去に何度かありました。

【2003年11月12日 三重県南東沖・深さ395km・M6.5】

三重県南東沖の地下深くに沈みこんでいる太平洋プレートの内部で地震が発生しました。

震源は三重県でありながら、震度4の揺れを栃木県・茨城県・福島県で観測、北海道から近畿にかけての広い範囲で震度3~1を観測しました。

【2015年5月30日 小笠原諸島西方沖・深さ682km・M8.1】

小笠原諸島沖合に沈み込む太平洋プレートのさらに深い場所で地震が発生しました。

震度5強の揺れを震源に近い小笠原諸島だけでなく、1000km近く離れた神奈川県でも観測しました。

震度5弱は埼玉県、震度4を関東甲信や静岡県で観測しました。

【2021年9月14日 東海道南方沖・深さ385km・M6.0】

東海道南方沖の地下深くに沈み込む太平洋プレート内部付近で地震が発生しました。

震度3の揺れを東京や栃木県・茨城県で、震度2や1の揺れを東北などで観測。

今回の地震と南海トラフ地震との関係って?

異常震域をもたらす地震:地下数百キロほど深くの太平洋プレート内部やさらに深い場所が破壊されて発生する「深発地震」によるもの。

南海トラフ巨大地震:深さ数十キロほどのプレートの境界がずれ動く地震によるもの。

両者はメカニズムが違います。

今回の地震は南海トラフとの関係はあまりないといえるようです。

まとめ

異常震域というあまり聞き慣れない言葉ですが、普通に起こりうる地震ということがわかりました。

また、南海トラフとの関係もないということです。

いつ大地震が起きてもおかしくない状況ですから、日頃から地震に対しての備えをしておくことが大切ですね。

焦らないで対処できるように注意していきましょう。

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